今回は、地震によって大きくひび割れてしまった外壁に、特殊なメッシュを貼りつけて剥落を防止する工事を実施しました。
通常の外壁改修とは少し異なる工法が用いられていますので、工事の流れと共にご紹介します。
工法の仕組みや、どういった建物や場所に最適なのかといった情報も記載していますので、気になる方はぜひご覧ください。
外壁などが完全にひび割れて劣化し、その対応で悩まれているマンション・アパートの管理会社様や、工場や倉庫といった施設で耐久性が気になってきたオーナー様などにとっては、特に参考になるかもしれません。
ご相談を受けた建物は、地震によって外壁の一部分に大きな亀裂ができてしまった工場です。
実は、この建物の外壁にはとある事情があります。
それは、大きくひび割れた外壁の周辺部分がブロックを積み上げて造られていることです。
一般的な建築物であれば、木造であれ鉄骨造であれ、主軸となる柱を立てて建物の構造体を作りますが、この工場は外壁の一部に柱の代わりとしてブロックを置いています。
↓外壁の表面越しにもブロックの凹凸が見えます。
通常の仕様とは異なる手法で建てられている故、他の建物と比べて、ひび割れが発生しやすくなっているのです。
ですので、外壁となっているブロックをどうにかして補強する必要があります。
(※建て替える・取り壊すとなると本当に多大な費用が発生してしまいます。)
そこで登場するのが「剥落防止工法」です!
特殊なメッシュシートを貼り、その上から高強度なモルタルを塗ることで、外壁全体が一体化し、剥落を防いでくれる画期的な工法です。
既にある外壁の上から、新しく強固な下地を作るイメージですね!
普段は土木の現場で使用されることが多いのですが、今回のようなケースであれば、建築にも応用ができます。
こんな場所におすすめです
一般的な建築物よりも、簡易な構造でできている物置などに施工すると、効果が高いかもしれません。
アパートやマンションに付属しているプロパン庫などは、内部の事情によって外壁がブロックで造られている場合もあります。
また、人通りの多いエリアで、剥落したくない建物があれば、一度ご相談ください。
(1)通常の方法で外壁を補修する
建物の周囲に足場を仮設し、まずは外壁の劣化している部分を、通常の方法で補修していきます。
1ミリ以下のひび割れから、数ミリに至るものまで、見落としのないよう全ての劣化箇所を埋めていきます。
(2)剥落防止工法を施す
通常の補修を終えたら、次の工程から剥落防止工法を実施していきます。
始めに、剥落防止工法専用のプライマーを外壁全体に塗っていきます。
プライマーは、新しく作られる予定の下地と既存の外壁との密着性を高めてくれる効果があります。
浸透性も高いので、外壁の小さな穴や亀裂にも塗料が良く染み込みます。
そうしてプライマーが乾いたら、この工法のメインである下地作りを行います。
まず、高強度のポリマーセメントモルタルを薄く均一に外壁に塗り付けて、
その上から、専用のメッシュシートを貼りつけます。
貼りつけたメッシュシートの上から、挟むようにもう一度モルタルを塗り込んでいきます。
剥落防止工法は、このメッシュシートの材質・形状と専用のモルタルを組み合わせることで、複合効果を発揮します。
強い耐久性を誇るようになり、結果として構造物の剥落防止に繋がるのです!
工法の仕上がりを近くで観察すると、平らに整えられたモルタルの下に、メッシュシートが埋め込まれているのが分かります。
(3)外壁の表面を仕上げる
剥落防止工法によって新しい下地を作ったら、その上から仕上げの模様や色を塗装していきます。
まずは外壁に模様を定着させる塗料を塗っていきます。
専用のローラーを転がすと、外壁に凹凸が付いていく仕組みになっています。
均一に、不自然にならないよう、広い視野で外壁を観察しながら、一定の動きで塗料を塗っていきます。
そうして外壁全面に模様を付けたら、最後に色付きの塗料を塗っていきます。
色付きの塗料は、建物の見栄えを華やかに仕上げてくれる他、コーティングの役割も担っており、天候や外部の衝撃などから、外壁を守ってくれます。
2回塗り重ねることで、塗膜の層が分厚く丈夫になります!
(4)工事完了!
ひび割れが補修された他、外壁の汚れやくすみも綺麗になりました。
工事前はブロックの凹凸が非常に目立っていましたが、剥落防止工法を実施したことで、外壁の崩れといった危険性は非常に低くなりました。
(※クリックすると写真が拡大します。)
他の角度から見ると、仕上がりの綺麗さが良く分かります。
今回ご紹介した剥落防止工法は、補修工事の中の特殊工法に分類されます。
工事を実施するとなると通常の補修工事よりも費用は高額になるため、この工法に興味のある方は、まずは山陽工業までお問い合わせください。
調査とお見積もりは無料で請け負っていますので、お客様の保有・管理されている建物に適用できるかどうか調査致します。
多くの建物の場合、ひび割れなどの劣化は、普通の補修工事で十分に直せますので「本当にこの工法でないと、どうにもならない!」といった場合にのみ推奨しております。
建物に関するお困りごとや、疑問がありましたらお気軽にご相談ください。
なお、対応エリアは以下の通りです。
この記事を書いた人 山陽工業 よーこちゃん
・山陽工業に入社して3年目の広報社員。
・たくさんの現場を巡って、日々様々な知識と写真を集めています。
・施工管理に長けた工事監督さん、この道何十年の熟練職人さんの方々に取材を行い、建物の修繕・改修に関する情報を発信していきます。
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