マンションなどの住まいやビル・駅など、私たちの日常には欠かせないエレベーターですが、私たちが安全に利用するために、専門業者の方々が定期的に点検をしてくださっています。
この点検の際に発見される劣化現象として、「エレベーターピットの漏水」があります。
今回工事を依頼してくださったお客様から、エレベーターピットの漏水に関して
山陽工業のブログを見て、エレベーターピットの表面のひび割れだけではなく、内側からしっかり補修して漏水を防ぐと書いてあったのが他と違うと感じたので、問合せをしました!
というお声を頂き、ひび割れの内部から補強を行うエレベーターピットの漏水補修工事を行いました。
この「ひび割れ内部から補強を行うことのできる」工法として山陽工業は、IPH工法をおすすめしています!
この記事では、IPH工法で行ったエレベーターピットの漏水補修工事の流れを詳しくご紹介していきます!
管理をされている建物のエレベーターピット内で漏水が発生してしまいましたら、ぜひこの記事をご一読ください!
また、「エレベーターピットに行ったIPH工法」についての動画をYouTubeの公式チャンネルにて公開しております。宜しければ併せてご覧ください!
エレベーターピットの漏水の殆どの原因は、雨水や湧水が浸入することにあります!
ではなぜエレベーターピットには、雨水が浸み込んだり湧水が発生するのでしょうか?
エレベーターピット内は、入隅※に必ず隙間ができてしまいます。
※入隅とは、壁と壁・壁と床が交わった場所にできる角の部分です。
また、周囲の振動や地震による地盤の動きでひび割れもできてしまいます。
そして、エレベーターピットは地下にあるため、このようなひび割れから雨水が浸み込んだり湧水が発生することが多々あります。そのため、水が溜まっていきやすい場所でもあります。
では、エレベーターピット内の漏水を放置するとどんなことが起きてしまうのでしょうか?
主なものとして、次の3つが挙げられます。
・水溜まりにより鉄骨や鉄筋が錆びてしまう
・水位の上昇で機械が濡れてしまいエレベーターが動かなくなってしまう
エレベーターピット内の漏水を放置すると、上記のようにエレベーター設備の耐久性自体に悪影響を及ぼしたり、異臭によりその建物使用者からの苦情や環境のイメージダウンにも繋がります。
そのため放置せずにしっかりと対応することが大切です!
では、実際に工事するとなった場合になぜIPH工法をおすすめしているのか、詳しくご説明します!
山陽工業では、エレベーターピット内の漏水にIPH方法をおすすめしています。
まず、IPH工法とはコンクリート内部から修復することのできる工法です。低圧力により微細なひび割れまで樹脂を充填することができ、構造物の「長寿命化」に繋げることができる工法です。
また、一般的な注入方法ではひび割れ内部に入ってしまっている空気を抜くことができないので、ひび割れの表面のみを埋めることになります。
ですがIPH工法では、ひび割れ内部の空気を抜きながら注入を行えるので、奥のひび割れまで樹脂を充填させることで漏水をしっかりと止めることができます!
そのため、内部からしっかりと補修し建物の長寿命化も見込めるIPH工法をおすすめしています!
では、初めにご紹介した物件を元にIPH工法でエレベーターピット内の漏水補修工事を行う手順を説明します!
まず、ひび割れの原因部分を探っていきます。この作業で、なぜ漏水が起きてしまったのか・原因の場所がどこなのかを探り、その上で漏水補修工事を行うのでとても大切な作業です。
原因を探るためには主に2つの作業を行います。まず1つ目は、壁などの周りを綺麗にしていく作業です。
コンクリートを綺麗にしていくことで、目視で確認できるひび割れ部分を探していきます。この際油汚れを溶剤で綺麗に拭き取ったり、写真のようなハケを使用して汚れを落としています。
2つ目はハンマーでコンクリート壁を叩く作業です。この作業で音の違いを聞き分けて、コンクリート内部に空気の隙間があるかどうかを判断していきます!
実は、壁が詰まっている場所と空洞になっている場所で音が違います!職人技で丁寧に漏水の原因となる部分を見つけています!
そしてこの調査の結果、入隅と床にひび割れが確認できました。また、叩いた際の音によって、壁の内側に空洞(=浮き)が発生していることも分かりました!
次に、入隅部分にIPHカプセルを打ち込むための土手を作ります。
まず、このように土手の中にチューブを埋め込んでからチューブを引き抜きます。
そうすると、このような空洞が中にできます。この空洞で入隅すべてを一体化させるつなぎができました。ここに樹脂を流し込むことで、漏水の原因になっている入隅そのものを埋めていきます!
次に、この上から「プライマー」を塗ります。
プライマーを塗ることでモルタルとの密着度を上げることができます!
最後にプライマーの上からモルタルを塗っていきます。
これで入隅に樹脂を注入するための土台が完成しました!
次に行うのが、「穿孔(せんこう)」です。
穿孔とは、樹脂を注入するための穴をあける作業のことです。
まずその前に穴をあけるための、マーキング作業を行います!
漏水の原因となっている場所に対して、スケールで測りながら10センチ間隔で穴をあけていきます。
では、マーキングを付けた場所に穴をあけていきます。
この「穿孔」ですが、ただ穴をあけている訳ではありません!穴をあけると同時に、このドリルの先端から水を出しています。削ったコンクリートをバキュームで吸いながら、先端から出る水をひび割れに循環させることで細部まで綺麗にして、ひび割れに樹脂がまわりやすくしています!
次に樹脂注入のための台座を付ける作業を行います。
台座の上からシーリングを行い、注入した樹脂が外に出ないように目止めを行います。
では注入する樹脂を作っていきます!
このように、主剤と硬化剤というものを混ぜ合わせて作ります。
この、混ぜ合わせている「主剤」ですが、冬は温めてから混ぜ合わせています!そうすることで樹脂が柔らかくなり細部のひび割れまで行き渡りやすくなります!
そしてこの樹脂をジャバラという容器に入れていきます。
実はこのカプセルの先端に、初めに少しご説明したIPH工法ならではの長所があります!
それは、この丸枠内にある2つのスリットです!
樹脂注入の際にひび割れの中の空気が抜けるよう、IPH工法のカプセルには空気の抜け道があります。それがこの小さなスリットです!このスリットにより、注入した際に中の空気と注入する樹脂が置換して、0.01ミリ幅の微細なひび割れにまで樹脂をまわすことができます!水の通り道を塞ぐことで、「強度回復」・「漏水防止」・「防錆効果」の期待ができます!
そして、いよいよ樹脂を注入していきます!
注入を行っている注射器のようなものが「IPHカプセル」です。そして先程説明した、樹脂の入っているジャバラがこの中に詰められています。これを作った台座に取り付けて樹脂を注入しています。
エレベーターピット全体に樹脂注入が完了しました!
樹脂が注入されて固まるのを待った後、IPHカプセルと台座の撤去を行っていきます。
ですが、「ひび割れは内部だから樹脂がしっかりまわっているのかわからない…」なんて思っていませんか?!
こちらの写真をご覧ください!
入隅に注入した樹脂が壁にまわって、ひび割れ部分から流れ出ている様子です!
しっかりと奥まで樹脂が充填されたということが目でよくわかりますね!
次にこちらは上が注入前のカプセルで、下が注入後のカプセルです。
樹脂が注入されて殆どなくなっている様子がわかりますね!
IPHカプセルを撤去しました!この後、台座も外して施工完了となります!
では、エレベーターピットの漏水にIPH工法を行った際の費用と工期をご紹介します!
2m×2m程度のエレベーターピット全体で
400,000円〜(税抜き)
※規模や漏水状況によって変動がございますので、参考価格としてご認識いただければ幸いです。
3~4日
漏水の状況などでも変動するため、ご相談いただいた際はきちんと現地確認を行った上で、明確な日数をお伝えいたします。
また、作業中はエレベーターを停止させていただきますので、ご了承ください。ただし、作業を行っていない夜間や明け方の時間帯は、エレベーターはご利用いただけます。
山陽工業には、『IPH工法施工技能士』の資格保持者が多数在籍しています。
そのためIPH工法によるエレベーターピットの漏水補修工事は多数経験がございますので、安心してご相談ください!
そして、山陽工業は調査とお見積りを無料で承っております!
まずはお気軽にお問い合わせください!
なお、対応エリアは以下の通りです。
この記事を書いた人 山陽工業 みさと
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