山陽工業はお客様により安心して頂ける様な工事をご提供するために、いくつかの大学と工法や材質・材料の共同研究を進めています。
今回の記事では山陽工業が推している「プレミアム改修工事」の中から「IPH工法」についての実験を行うため、日本工業大学の研究室にお邪魔しました。その実験の様子をレポートします!
IPH工法の魅力をもっと知って頂きたいです!
そもそも山陽工業が推している「IPH工法」とはどの様な工法かご存知ですか?
「IPH工法」とは、ひび割れを起こしてしまったコンクリート建造物の内部に空気抜きの技術を利用して低圧力で樹脂を注入し、細かなひび割れまで結合させる特殊な工法です。
ひび割れ内部に入っている空気を放出させることで負圧にして、樹脂を細かなひび割れにも充填させます。この際、注入する樹脂と中の空気が置換するので、幅0.01mmの目に見えないひび割れにまで樹脂を充填できます!
コンクリートがひび割れしてしまう原因は様々ですが、主に乾燥収縮が多いとされています。
コンクリートは水・セメント・骨材を混ぜてつくられており、このコンクリート中に含まれる水分が、外気などの影響で蒸発し、ひび割れの発生に繋がります。
また、地盤の動きもコンクリートのひび割れが発生する原因であると考えられており、日々発生する地震や車が建物付近を通る際の振動によってひび割れが発生してしまうのです。
コンクリートのひび割れを何もせず放置してしまうと雨漏りの原因や建物の耐久性に影響があり大変危険です。
そんな時に大活躍するのがIPH工法です!
冒頭で「IPH工法はひび割れ補修のために行う工法」とお伝えしましたが、ひび割れ補修に加え「強度回復」「漏水防止」「防錆効果」も期待できる工法です。今回の実験では「強度回復」についての実験となっています!
強度回復とは、その名の通りコンクリートの強度を回復させる効果です。樹脂を充填することで、コンクリートが押し潰されたり引っ張られる力に耐える強さが回復し、構造物全体の耐久性向上が期待できます。
また、欠損部補修後にIPH工法で樹脂を注入することで、既存の躯体と欠損部補修材が一体化し、再度劣化が発生するのを防ぎます。
IPH工法はコンクリート構造物を壊すことなく補修でき、長寿命化させることができるとても素晴らしい工法です!
本当にIPH工法でコンクリートの強度が回復されるのか、実験でみてみましょう!
IPH工法について「もっと知りたい!」という方は山陽工業公式HPにIPH工法専用ページがありますので、下記のリンク先をご覧ください!
先程少し触れましたが、今回日本工業大学にお邪魔した理由はIPH工法の効果の1つである「強度回復」についての実験を行うためです。コンクリートの供試体(※)を作りIPH工法の樹脂を注入し、機械で圧力をかけます。
※供試体…強度などを推定する目的で造られる制作物。
本日の実験で使用する供試体はこちらです。
これらの供試体は実際にIPH工法を施工した建物を再現するため、人工的にひび割れを入れ、IPH工法で補修しています。
先程のIPH工法で使用されている樹脂を注入した供試体に、「コンクリート圧縮試験機」というコンクリートの強度を測る専用の機械を使い、割れるまで上から圧をかけていきます。
割れるまで上から圧をかけ、その時の割れ方などを観察します!
どんどん圧をかけていくと……割れました!
供試体を見てみると、縦に割れているのが分かりますね。
さらに、割れた箇所を良く見ると樹脂の注入口(人工的なひび割れの場所)から少し右にずれた位置で割れている様に見えます。樹脂を注入していない場所で割れた場合、IPH工法の補修箇所が元々のコンクリートより強くなっていると考えられるのです!
ただ、このまま見るだけでは樹脂がどこまで注入されているのか確認することができません。「実際に樹脂がどこまで注入されているか」を目で見て確認するためにブラックライトを使用します。
IPH工法の樹脂はブラックライトで照らすと光って見えるため、樹脂が注入された箇所が光り目で確認することができます。
早速、ブラックライトで照らして見てみましょう!
やはり!先程コンクリート圧縮試験機で割れてしまった箇所は、樹脂を注入した箇所(写真の青く光って見える箇所)からずれており、新しく割れたもので間違いありません。
機械から外すと、この様に完全に割れてしまいました。軽いひび割れかと勝手に思っていましたが、ボロボロと崩れてしまうほどの深い亀裂が入っていたことが分かります。
この状態が実際の建物でも起きてしまうと考えると、恐ろしいですね…
先程と同じ様に、完全に割れてしまった供試体にもブラックライトを当ててみると、表面だけではなく内側にも樹脂が浸透していることが分かります。
また、樹脂を注入した真ん中を残して崩れていることから、「IPH工法を行って劣化していたコンクリートが回復した」ということが分かりますね!
ちなみに、こちらはコンクリートの打設不良によって起こる「ジャンカ」という状態を再現した供試体です。
ジャンカとはコンクリートの打設不良の事例の一つで、コンクリート構造物の表面に砂利が集まり、露出している部分のことです。
セメント・骨材・水などを混ぜ合わせて作られているコンクリートを流し込む際に、材料が分離することが原因でジャンカは発生します。
ジャンカの状態になってしまうと、適切に施工されたコンクリートと比較して強度が低下するため、コンクリートの耐久性に重大な問題が生じてしまいます。
そんな時に大活躍なのが「IPH工法」!
ジャンカの様な大きな隙間にも満遍なく樹脂を注入し、コンクリートの強度を高めることができます!
こちらが実際にジャンカにIPH工法を施した供試体です。
供試体の真ん中部分が濃いグレーになっていますね。この部分がIPH工法を施した場所です。大きな隙間も樹脂でしっかりと埋まっています。
更に樹脂がどのぐらい注入されているのか、ブラックライトを照らしてみると…
初めにご紹介したひび割れの供試体よりも、はっきりと樹脂が注入されている箇所がわかりますね!
IPH工法は内部の空気を抜くことで些細なひび割れから大きな隙間まで樹脂を充填することができるので、様々な劣化状況のコンクリートを補修できる画期的な工法なのです!
ブラックライトで照らすと神秘的で綺麗ですね…!
今回ご紹介した共同研究は「IPH工法によるコンクリート強度回復について」でしたが、山陽工業ではその他にも建築・構造知識に長けた大学の先生方や学生と共同で実験や研究を実施しています。
「工事をして終わり」ではなく建物を安全に長持ちさせることでお客様に安心と満足をお届けするべく、様々な観点から品質向上に努めています。
その他の共同研究に関しましては、過去の記事をご覧ください↓
私たちは「IPH工法は公共事業の悩みを解決し、日本のインフラを支える画期的な工法だ」と考えています。
そのため、コンクリート構造物に関して劣化による耐力の低下や、耐震不足が社会問題となっている中で、構造物を壊さずに生かし、強度を取り戻して延命させるIPH工法を山陽工業は推しています!
また山陽工業には、コンクリート・IPH工法に関する資格の保有者が在籍しています。
・日本コンクリート工学会という団体が実施する講習会を受講し、試験に合格した者
・試験の合格率は15%前後と高難易度
・コンクリートの劣化状況を見て、その劣化の原因を診断する知識を持つ
・劣化の原因を原因を診断した上で、どの様な工法で補修すべきかを的確に判断できる
・IPH工法協会という団体が実施する学科・技能技術講習を受講し、試験に合格した者
・IPH工法は、この資格を保有している者しか施工ができない
プロが在籍している山陽工業にお任せください!
今回はIPH工法についてご紹介しましたが、もちろんIPH工法以外の補修・修繕工事もお待ちしております。
山陽工業は調査(ご相談)・お見積もりは無料ですので、どんな小さな疑問でもお気軽にお問い合わせください。
なお対応エリアは以下の通りです。
この記事を書いた人 山陽工業 まお
・2022年入社の営業部
・お客様にもっと信頼される山陽工業を目指して、様々な工事内容を発信していきます!
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