その耐久性の高さから、ビルやマンションなど比較的大きな建物で多く採用されている鉄筋コンクリート。
しかし当然のことながら、そんな鉄筋コンクリートも経年によって劣化していくため、メンテナンスが必須となる時期である耐用年数、つまり寿命が存在します。
今回の記事では、その鉄筋コンクリートの寿命(耐用年数)と、山陽工業の「鉄筋コンクリートの寿命(耐用年数)を延ばすための取り組み」について詳しくご紹介します。
「鉄筋コンクリートの寿命(耐用年数)を延ばせる特殊な工事はないのかな?」
上記のようなお悩みをお持ちの、鉄筋コンクリート造の建物の所有者様・管理者様はぜひご一読いただき、山陽工業までお気軽にご相談ください!
近年では材料の質の向上や施工技術の発展により、施工会社によって公表している鉄筋コンクリートの寿命(耐用年数)は様々です。
中には100年もつと謳っている会社もあるほどです。すごいですね…!!
鉄筋コンクリート造のビルやマンションが多く建築された高度経済成長期(1955年~1973年)には、鉄筋コンクリートの寿命(耐用年数)は60年と言われていました。
そのため、高度経済成長期に建築された鉄筋コンクリート造のビルやマンションは、ちょうど今寿命を迎えつつあるのです。
ただし、この60年という寿命(耐用年数)は、「一度もメンテナンスを行っていないコンクリートの表面から進んだ劣化が、内部の鉄筋に到達するまでの年数」の目安を指します。
つまり、建築から60年が経過するより前に補修工事や塗装工事などのメンテナンスを行っていれば、鉄筋コンクリートの寿命(耐用年数)はもっと長くなります。
鉄筋コンクリート造の建物も別の構造の建物と同様に、定期的なメンテナンスでずっと安心して住む・利用することができるんですね!
先ほどコンクリートの耐用年数(寿命)は60年とご紹介しました。
築60年以上の鉄筋コンクリート造のマンションは2021年に20万戸以上存在しており、このままでは2026年には60万戸以上、2031年には115万戸に増えると推測されています。
また、築60年でメンテナンスが十分にされていない鉄筋コンクリート造のマンションは、「スラム化(※)」するのではと危惧されています。
※スラム化:貧しい人々が集まる荒廃が進行した区域のこと。 犯罪や環境面など周囲への影響も危惧される。
このままメンテナンスを行わず築年数が経ってしまう鉄筋コンクリート造のマンションが増えると、住民だけではなく周辺住民の生活にまで支障が出てしまう可能性があります。これは、今後の日本の大きな社会問題に繋がると注目されています。
また、鉄筋コンクリートでできているのはビルやマンションだけではありません。日頃から私たちのインフラとして大活躍している橋梁も、もちろんメンテナンスの対象です。
全国にあるコンクリート造の橋梁の数は約72万橋と言われており、ビルやマンションと同じく高度経済成長期(1955年~1973年)に建造されたものが多いとされています。
一般的な橋梁の寿命は約50年とされており、2020年の時点で築50年以上の橋梁は30%にもなると言われております。このままでは10年後には55%の橋梁が築50年以上になってしまいます。
橋梁の劣化を放置し続けると、「橋梁の完全崩壊」や「生活の支障」さらに「物流インフラの停止」など、様々な問題が起きてしまいます。
近年増加している鉄筋コンクリート造の建物や橋梁。メンテナンスを行わないと私たちの生活に支障が出てしまうことが分かります!大きな社会問題です!
SDGs・サステナブルといった言葉が多くの場面で使われている昨今では、建物に対しても「壊さずに直してずっと使い続ける」という考え方が注目されています。
建物を直す・きれいにすることが仕事である私たち山陽工業は、そうした考え方に強く共感しています。特に鉄筋コンクリートについては、その寿命(耐用年数)を延ばすための様々な取り組みを行っています。
様々な新技術を施工・新材料(塗料・防水材など)を塗布したコンクリートの試験体を、長崎県の端島(通称:軍艦島)に設置し、新技術・新材料の耐久性について徹底的に研究しています。
周りを海に囲まれた端島は、紫外線や風雨・潮風など建物の劣化の原因となる様々な外的刺激をたっぷり浴びることができます。
そんな端島に設置したコンクリート試験体は、当然のことながら非常に速いスピードで劣化していきます。そして年に2度、端島へ上陸してこれらの試験体の劣化状況を観察することで、新技術や新材料の耐久性を研究しているのです。
この研究により、耐久性が高い・鉄筋コンクリートの寿命(耐用年数)を延ばせると考えられる良い結果が得られた技術や材料は、山陽工業で積極的に採用・推進していきます。
また、複数の大学とも共同研究を行っており、コンクリートの耐久性に関する様々な実験をしています。
不定期ではありますが、賃貸物件のオーナー様向けのメンテナンスセミナーの講師を務めさせていただいています。
良いと思ったものはより多くの方に知っていただきたいという思いから、山陽工業はこのセミナーで「鉄筋コンクリート造の建物を長寿命化する新技術や新材料」について紹介させていただいています。
もちろん、先述した端島での研究において高評価だった技術や材料についてもご紹介しています。
毎回160名以上の方が参加され、内容も分かりやすい・為になると大変ご好評いただいています。
私もセミナーに同行していますが、参加者の皆様の表情から、皆様がいかにご自身の建物のメンテナンスに悩んでいらっしゃるかが毎回ひしひしと伝わります…今後もそんな皆様のお力になれるよう、尽力してまいります!
鉄筋コンクリートなどで造られたマンション維持には欠かせない、「大規模修繕工事」。いざ行うとなるとわからない事が多い…というオーナー様の不安を無くすべく、大規模修繕工事見学会を定期的に開催しております。
山陽工業は、民間賃貸住宅経営者を支援している「公益社団法人 東京共同住宅協会」の会員で、大規模修繕工事見学会はこの社団法人が主催している説明会です。
見学会では、座学での大規模修繕工事に関する説明と質疑応答はもちろんのこと、工事中の現場を実際に見学したり、工事に使用する色見本のサンプルなどの普段目にすることがないものをご覧いただくことができます。
これは何の工法を行っているところ?
いつ頃大規模修繕工事をすべきなの?
などの質疑もその場でいただき、都度お答えしております。
毎回ご好評をいただいており、2日で30人程の定員はすぐに満員に達します!
鉄筋コンクリート内部を樹脂でしっかり満たすことで、補修しながら寿命(耐用年数)を延ばすことができる画期的な新技術、IPH工法を推進しています。
鉄筋コンクリート内部を負圧状態にして樹脂を注入するIPH工法では、従来の工法では難しい、幅0.01mmの目に見えないほど小さなひび割れも樹脂で満たすことができます。
表面だけを補修するのではなく、内部の隅々まで樹脂で満たすことで、鉄筋コンクリートの寿命(耐用年数)を延ばすことができる、というわけです。
また、IPH工法は、IPH工法協会という団体が実施する学科・技能技術講習を受講し、試験に合格した『IPH工法施工技能士』の資格保有者しか施工することができません。
山陽工業には、このIPH工法施工技能士の資格保有者が多数在籍しています!
先述したIPH工法協会は、実は山陽工業も所属している団体なんです!
IPH工法協会とは、IPH工法を推進する一般社団法人で、「IPH工法に関する知識や技術に長けている」と協会が認めた業者のみで活動している団体です。
山陽工業はそんなIPH工法協会の関東地区代表の施工業者として、「こんな事例があってIPH工法を施工した」などの情報交換や、協会主催のセミナー・イベントの設営に携わるなどの広報活動を行っています。
高い品質をより多くのコンクリート構造物へ!という大きな責任を背負っています!
下の写真は、山陽工業がIPH工法を施工した事例のほんの一部です。
IPH工法の施工手順については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
山陽工業には、鉄筋コンクリートに関する知識が豊富な『コンクリート診断士』の資格保有者が在籍しています。
コンクリート診断士とは、日本コンクリート工学会という団体が実施する講習会を受講し、試験に合格した者のことを指します。
資格名すら聞いたことがないという方も少なくないと思いますが、実はこのコンクリート診断士、試験の合格率が15%前後と高難易度な資格なのです!
コンクリート診断士ができることは何かと言いますと…
コンクリート診断士とはその名の通り、鉄筋コンクリートの劣化状況を見てその劣化の原因を診断する知識を持つ、言うなれば鉄筋コンクリートのプロです。
この劣化は何が原因で発生したのか?
原因を診断した上で、どのように補修すべきか?
専門業者でも判断が困難なことがあるこのような疑問も、コンクリート診断士なら的確に判断できます。
そして、先述したIPH工法をはじめとした、劣化状況に合った最適な補修方法をご提案することができるのです。
鉄筋コンクリートの建物の劣化やメンテナンス方法についてお悩みの方はぜひ、コンクリート診断士が在籍している山陽工業にご相談くださいね。
山陽工業がいかに鉄筋コンクリートの寿命(耐用年数)を延ばすことに情熱を注いでいるか、お分かりいただけたでしょうか?
鉄筋コンクリート造などの構造に関わらず、建物は建てることよりも維持することに関しての方が何かと悩みが多くなるものです。
「どれくらいお金や時間がかかるかな?」
「ここまで古くなってしまっていると、メンテナンスではなく、取り壊してしまうべき?」
そのようなお悩みも、山陽工業が一緒に考えます!
ご相談・建物調査・お見積までは無料で承っていますので、ぜひお気軽にご相談くださいね。
なお、対応エリアは以下の通りです。
この記事を書いた人 山陽工業 かおり
・山陽工業で働く1児の母(2015年入社)
・「こんなこともやっているんだ!」と知っていただける、比較的小規模な工事や少し特殊な工事についての記事を主に投稿します。
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