お住まいやお持ちの建物の外壁、目立つものでなくとも、よく見ると小さなひび割れが発生しているかもしれません。
「こんな小さなひび割れなら、特に問題ないだろう」と思っていても、そこから劣化がどんどん進行してしまう恐れがあります。
そこで今回の記事では、外壁のひび割れが起こる原因や放置するとどうなるのか、どのように補修するのかをご紹介します。
小さいけれど外壁にひび割れがある
目立つひび割れがあり不安…
ひび割れをどのように修繕するのか知りたい!
上記に該当するマンション等の建物オーナー様必見です!
外壁のひび割れの中には、気付かない間に躯体自体や基礎コンクリート等、建物にとって重要な部分に致命的なひび割れが発生しているケースがあります。
では、具体的にどのような原因でひび割れが発生するのでしょうか?主な原因を3種類ご紹介します。
① コンクリートの乾燥収縮によるひび割れ
年月が経つにつれ、外壁のコンクリートの水分が蒸発します。水分を失ったコンクリートは体積が小さくなり、縮んでいきます。
このコンクリートの収縮によって、外壁表面にひび割れが発生します。
また、コンクリートの乾燥収縮は、急激な温度変化によっても発生します。日当たりの良い建物の南面の外壁でも、寒い真冬の朝晩は冷たくなりますよね。そうした温度変化の激しい場所の外壁には、乾燥収縮によるひび割れが発生しやすくなります。
② 外力によるひび割れ
車の通行・地震の振動や物がぶつかる際の外力によっても、外壁表面にひび割れが発生します。
外力によるひび割れはコンクリートだけでなく、タイルやALCなどどのような外壁でも起こり得ます。
③ コールドジョイント
設した層と後から打設した層が一体化しなかった場合にできる継ぎ目のことです。
コールドジョイントは経年劣化ではなく、コンクリート打設時の初期不良によって発生するひび割れです。
では、これらのひび割れを放置してしまうと、どのようなことが起こり得るのでしょうか?
ひび割れは小さいからといって放置をしてしまうと、外壁内部にまで進行してしまうケースがあるため、発見次第早急に補修を行うことが大切です。
ひび割れを放置してしまうと、雨漏りを始め建物の強度低下や腐食といった被害が起こり得ます。
腐食は内部にまで進行し、外壁だけに留まらず内部の壁が崩れるというような被害まで起こる恐れがあるのです。
また、コンクリート内部の鉄筋にまで水が染み込み、やがてその鉄筋も腐食し鉄筋爆裂が起こる可能性まで考えられます。
放置するとどんどん被害が拡大して大掛かりな工事や費用が必要になるんだね…!!
窓や扉といった開口部分に発生したひび割れには、特に注意が必要です。構造上、ひび割れが発生しやすい場所なのでひび割れが太く・深くなっている可能性があります。
尚、ひび割れの調査は基本的に目視で行います。
ただ、もし室内へ水漏れなどの症状が出ており、どこから水が浸入しているのかわからない…という目視だけでは判断が難しい状況であれば、最新技術を用いた調査など、適宜最適な調査方法のご提案が可能ですのでご安心ください!
外壁のひび割れを補修する方法は様々です。その中でも、躯体のひび割れでよく用いられる3種類の補修方法をご紹介します。
① フィラー擦り込み
ひび割れ幅が0.2mm以下の場合は、「フィラー擦り込み」という方法で補修を行います。フィラー材をひび割れ部分に擦り込んで補修する方法です。
② ボンドシリンダー工法
ひび割れ幅が0.2mm~1.0mmの場合は、「ボンドシリンダー工法」という方法で補修を行います。外側からひび割れ部分に樹脂を注入する方法です。
③ Uカット工法
ひび割れ幅が1.0mm以上ある場合は、「Uカット工法」という方法で補修を行います。傷んでいる部分をUの字に削り、そこに詰め物をする補修方法です。
コンクリートの躯体にひび割れが発生している場合、山陽工業ではIPH工法と呼ばれる特殊な補修工事をおすすめしております!
① IPH工法とは?
IPH工法とは、コンクリートに穴を開け、そこから特殊な樹脂を注入しコンクリート内部の隙間を埋める、対コンクリートに特化した補修工法です。
IPH工法は樹脂を注入する際にコンクリート内部の空気を抜き取ることができるため、注入した樹脂はコンクリート内部の隅々まで行き渡り、通常の方法では補修することのできない0.01mm程の微細なひび割れまで埋めることが可能です。
内部の隅々に樹脂が充填されるとコンクリートの強度が回復し、建物の長寿命化に繋がります。更に鉄筋の周りや隙間までケアできるため、鉄筋の防錆効果も期待できます!
長寿命化に防錆効果まで…正にプレミアムな補修工法!
② どんな場面で活用できるの?
通常の補修方法では微細な隙間まで埋めることができないため、もしひび割れから雨などの水が浸入し室内へ水が染み出てしまっている場合、通常の方法で補修を行っても僅かな隙間から再度水が浸入してしまうことがあります。
また、水は1箇所出口を封じても別の場所へ逃げてしまうため、すべての出口を塞がないと別の場所から水が浸入したり、水が出て来てしまうケースもあります。
実際弊社にも、「雨漏り補修を行ったのに再発したので止められないか?」といったご相談が多く寄せられています。
IPH工法は前述の通り微細なひび割れにまで充填可能で、止水効果があるため、通常の補修方法では防げなかった水漏れも防ぐことができるんです!
・補修をしてもひび割れや水漏れが再発する
・ひび割れ部分から水が出ている
・せっかくなら修繕するなら長持ちする修繕をしたい
外壁のひび割れについてご紹介してきましたが、ひび割れというのはもっとスケールの小さな部位で発生していることがあるんです。
それが、シーリング材のひび割れです。
シーリング材とは、外壁材同士の繋ぎ目(隙間)を埋めて、気密性を保持するための素材のことです。ゴムのような感触をしており、経年劣化が進むと伸縮性が衰え固くなり、ひび割れを起こしやすくなります。
シーリング材の劣化を放置すると、隙間から雨水が浸入し躯体を傷める原因になります。そのため、見つけ次第なるべく早めに補修工事を実施することを推奨します。
具体的には、既存のシーリング材を全て撤去し、新しいシーリング材を打ち直します。(場合によっては打ち替えではなく「打ち増し」を行うこともあります)
通常シーリング部分の補修工事は建物全体に施しますが、ご予算の都合や、不具合の箇所が特定できている場合は、建物の一部分にのみ工事を施すことも可能です。的確で正しい作業を行えば、およそ5〜10年間は綺麗な状態を保つことができます。
外壁は躯体やシーリングだけでなく、表面もしっかりとケアをしてあげることで、美観も蘇らせることができます。
チョーキング現象など外壁全体の劣化や汚れが目立つようになってきたら、外壁工事を検討する時期かもしれません。
ただし、見た目には現れにくい劣化も存在するので、目立った劣化がない場合でもきちんと調査を行い、10年に1度を目安に修繕工事を行うことをおすすめします。下図のように、劣化の症状が比較的軽い段階で修繕工事を行えば、コストを安く抑え建物の耐久性をアップすることができます。
外壁表面の補修方法は、「塗装工事」と「貼り替え・重ね貼り工事」の主に2種類に分類されます。
① 塗装工事
ローラーやハケ、スプレー等道具と専用の塗料を用いて、外壁を塗り替える工事のことを指します。
例えば、一見すると何も塗っていないように見える打ちっぱなしコンクリートも、実は高耐久な材料が塗られていることが多く、それによって美観を保つ・蘇らせることができるのです。
使用される塗料・希釈剤には多くの種類が存在し、何を選ぶかによって耐久年数や費用が変わってきます。山陽工業ではお客様のご要望を伺った上で、最適なプランをご提案させていただきますのでご安心ください!
② 貼り替え・重ね貼り工事
シートやタイル、合板などを貼り替える、または重ね貼りする工事のことを指します。塗装工事に比べて全体的に費用が高い傾向にありますが、塗装では出せない質感を演出できます。どのようなデザインを選ぶかによって、外壁の印象が大きく変化します。
また、外壁全体に貼り付けることで水の浸入口を塞ぐことができるため、漏水が起こりにくくなるというメリットもあります。
内側も外側もしっかりケアすることが、大切な建物を守る上でとても重要だね!
「家の外壁に気になるひび割れがある…」
「そろそろ一度プロに診てもらった方がいいだろうか?」
このようなお悩みをお持ちの方は、山陽工業までお気軽にご相談ください!
山陽工業はコンクリートのプロフェッショナル!
■コンクリート診断士が在籍
山陽工業には、コンクリート診断士の資格を保有する社員が在籍しております。
コンクリート診断士とは、コンクリートの劣化状況を見てその劣化原因を診断する知識を持つ、いわゆるコンクリートのプロフェッショナルです。
まるでコンクリートのお医者さんだね!
■大学との共同研究
建物の長寿命化を目指し、山陽工業ではどんな環境下ならばコンクリートが長持ちするのかを、東京理科大学及び日本工業大学と共に研究しております。
異なる方法で補修を施し、様々な塗料を塗布したコンクリート試験体を長崎の軍艦島に運び、劣化具合を数年かけて経過観察しています。
軍艦島はコンクリートにとっては非常に劣悪な環境のため、劣化速度が速まり、コンクリートが劣化する様を観察するのにとても適した環境なのです。
少しでも長く住み続けられる建物を目指し、これからも研究を続けてまいります!
調査・御見積は無料!
山陽工業では今回ご紹介した建物のひび割れ補修はもちろん、戸建ての扉1枚の工事からマンション全体の大規模修繕工事まで、様々なご依頼を承っております。
民間・官公庁問わず年間650件以上の実績を誇る山陽工業に、ぜひお任せください!
※詳しい工事経歴についてはこちらでご覧になれます。
建物が今どんな状態でどんな処置を施すのが最適か、調査診断・御見積は無料で実施しております。下部の問い合わせフォームよりお問い合わせください!
なお、対応エリアは以下の通りです。
*今回ご紹介したIPH工法について、下記のページでも詳しく解説しております。
この記事を書いた人 山陽工業 みほ
・2015年に山陽工業の管理部として入社
・事務職として建設業の書類作成を極めていましたが、お客様により喜んでいただけるようなご提案ができるよう、現在工事内容についても勉強中!
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