マンションの中でも、屋上防水は最も熱や紫外線・風雨にさらされているので、劣化が進みやすく定期的なメンテナンスが必要な場所です。
ですが、屋上は中々上る機会がないため、「前回メンテナンスを行ったのがいつかわからない」「そもそも劣化しているかどうかわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
屋上防水の劣化を放置してしまうと、雨漏りに繋がるだけではなく、建物自体の老朽化に繋がってしまうので、劣化が進む前にメンテナンスを行うことがとても大切です!
そこで、防水工事に特化した建設会社として、30年以上の実績を誇り官公庁の工事まで請け負っている山陽工業が、シート防水メンテナンス工事の様子をご紹介します!
屋上防水のメンテナンスを検討しているマンション・ビルの所有者様や管理者様、必見の内容です!
そもそもシート防水とは、水の浸入を防ぐために行われる防水工事のことです。下地の上に塩化ビニール製などの防水シートを固定して、防水層を作ります。
シートで広範囲を一度に覆い短期間で施工できるため、ビルやマンション・アパートなどの屋上に防水工事を行う際によく使われている工法です。
このシート防水の工法には、2つの種類があります。それぞれの工法の特徴をご説明します!
密着工法とは、接着剤を使って下地に直接をシートを貼りつける工法です。下地に対して全面的にシートが密着するため、風圧に強いという特徴を持っています。
機械固定工法とは、ディスク盤と呼ばれる円盤状のパーツで、下地にシートを固定する工法です。シートは下地に対して全面的に固定しないため、躯体の振動などの影響を受けにくいことが特徴です。
「密着工法」と「機械固定工法」それぞれの特徴を生かして、施工場所に合った工法を判断することがとても大切です!
今回、シート防水を行う屋上の様子がこちらです。シートが大きく剥がれてしまっています。
このまま放置しておくと雨漏りの原因となるだけではなく、躯体に水が浸入し建物の老朽化に繋がってしまう恐れがあります。
施工場所が屋上なので、まず足場組立を行います。この際に足場と建物との繋ぎ部分に穴あけが必要なため、アスベスト含有調査を行います。
※足場とは、建築工事で高所作業の際に作業員がのぼる仮組みの構造物のことです。
Q.そもそもアスベストとは?
A.アスベストとは、石綿(いしわた、せきめん)と呼ばれる天然の鉱物繊維の総称です。熱に強い・摩擦に強く切れにくい・酸やアルカリにも強いなど、丈夫で変化しにくい特性を持っています。
これらの特性を生かし、以前まで様々な建材にアスベストが使用されてきました。
Q.では、アスベスト含有調査は、なぜ・いつから行われているのでしょうか?
A.アスベストは発がん性があることが判明し、現在は原則として使用が禁止されています。そのため、一定の規模を超える改修工事・解体工事を行う場合には、事前にアスベスト含有の有無を調査し行政へ報告することが2023年10月1日以降から義務付けられています。
この調査を行い、正しい施工方法で進めることにより、施工する際に出た粉塵から作業員や近隣住民に健康被害が起きることを防いでいます。
山陽工業では、アスベスト含有調査のための有資格者が4~5名在籍しています。
義務に則って調査を行っていることは勿論、有資格者の在籍によって自社でアスベスト含有調査まで行うことが可能です。
こちらが施工の前に行ったアスベスト含有調査の様子です。このように壁の一部から検体を採取し、アスベスト含有調査を行います。
その結果、建物にアスベストが含有されていないことが分かりました!
いよいよ、屋上防水工事の工程に入ります。今回の屋上防水工事は、初めにご紹介した「機械固定工法」で進めていきます。
まず、既存防水層の劣化したシート部分を撤去していきます。
今回、既存シートの上に新しいシートを被せるかぶせ工法で行うので、劣化して浮いているシート部分は取り除いて、なるべく平らな状態にしておきます。
絶縁シートを貼ります。この絶縁シートに防水性はありませんが、古いシートの凹凸などが新しいシートを傷つけないよう守る役割があります。
絶縁シートの上から、塩ビ鋼板を取り付けて絶縁シートを固定した後、ディスク盤を取り付けます。
このディスク盤は、後程貼る塩ビシートと溶着させるという重要な役目を持っています!
塩ビシートを絶縁シートの上から敷き詰めていきます。
この塩ビシートは、防水性があるだけではなく燃えにくい性質も持っているので、とても安全性に優れているシートです!
塩ビシートを敷き詰めたら、塩ビシート同士の重なり部分を溶剤溶着します。
溶剤溶着とは、専用の溶着材を塗布することでシート同士を溶かし、接合させる方法です。強い接着効果により、高い水密性を得ることができます。
次に脱気筒を取り付けます。
脱気筒は、防水層と下地の間に発生してしまった水蒸気を逃がすための換気筒です。蒸気を逃がし、防水層を長持ちさせることができます。
ここで、先程取り付けた重要な役目を持つディスク盤の出番です!
ディスク盤を、誘導加熱装置を使って塩ビシートの上から熱します。機械固定工法では、このようにディスク盤を熱することで塩ビシートとディスク盤を融着させて、シートを下地に加熱融着します!
加熱融着後はディスク盤の丸い跡が見られて、下地と融着されたことがよくわかりますね!
最後に塩ビシートの継ぎ目に、端末シーリングを行います。端末シーリングとは、塩ビシートの継ぎ目をシーリング材で埋める作業のことで、シート同士の隙間から水が入り込むのを防いでいます。
これですべての工程が終わり、施工完了です!
庇の上部分のみ、初めにご説明した密着工法で工事を行っています!屋根全体の末端となる庇部分は、劣化してくるとシートが一番剝がれやすい場所です。
そのため庇部分は、シート全体を密着させる密着工法により、強い防水層を形成しています。
施工場所に合わせた工程で行っています!
シートが大きく剥がれていた状態の屋上が、すっかり綺麗になりました!
これで雨漏りの心配もなくなり、安心ですね!
参考までに、今回の施工範囲(約350㎡)で行った屋上防水工事の工期をご紹介します。
※現場の状態・天候によって変動がございますので、あくまで参考日数としてご認識頂ければ幸いです!
今回は、屋上防水のメンテナンスの工程をご紹介しました。
屋上の防水層の劣化を「このくらいならまだ大丈夫かな」と、放置したままにしてしまうと劣化状況が悪化し、大掛かりなメンテナンスが必要になってしまう場合もあります。
コストがかさむことにも…
そうならないためにも、正しい時期に屋上防水のメンテナンスを行うことがとても大切です。
「管理している建物の屋上の劣化を放置してしまっている…」など、少しでも不安がございましたらお気軽に山陽工業へお問い合わせください!
なお、対応エリアは以下の通りです。
この記事を書いた人 山陽工業 みさと
広報部として現場で色々な知識を得て、皆さんに発信していきます!
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