
建物のエントランスなどの階段や、ちょっとした段差部分にスロープがあると、とっても便利ですよね。
そんなスロープ、建物の新築時から設置されていれば何よりですが、建物の利用者様・居住者様の年齢層などの変化によって、スロープを後付けしたい…と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

でも、もう建物を利用・居住している方がいる中で…どのような流れで、どれくらいの期間でスロープを後付けできるんだろう?と不安になりますよね。
山陽工業では、スロープの後付け工事をはじめとした外構工事も承っています。
今回の記事では、エントランスの階段にスロープを後付けした工事の手順や、かかる工事期間・費用について詳しくご紹介します。
上記のようなご要望・疑問をお持ちの、マンションなどの所有者様や管理者様は必見です!
階段にスロープを後付けすることで、以下のようなメリットがあります。
車いすやベビーカーなどの通行がスムーズになる
お年寄りや子どもが躓いて転倒するのを防げる

特に車いすやベビーカーを使用する人は、お部屋・物件探しの際にエントランスにスロープがある建物を候補にするという人も多いでしょう。

ベビーカーに子ども+買い物の荷物を積んでいると、たった1段の段差を超えるのもハードルが高くなるんですよね…
また最近では、コンパクトな自転車や高価なマウンテンバイクなどを、汚れや盗難防止のためにお部屋の玄関に置いておくという方も多く、そういった方にとってもエントランスのスロープは大変ありがたい存在です。

そうしたメリットにより、スロープを後付けすることは、建物の入居率や定着率の増加・利用率の増加に繋がります!
今回ご紹介するのは、とあるマンションのエントランスの階段に行った、スロープの後付け工事です。
マンションの管理組合の方から、「ベビーカーを使用する居住者が多いため、エントランスの一部をスロープ化したい」とご相談をいただき、施工しました。
施工前のエントランスには、下の写真のように階段が2段あります。



確かに、ベビーカーや車いすなどを利用している方にとっては、このままだとちょっと不便かもしれません。スロープを後付けして、便利なエントランスに変身させましょう!
施工前に、どこにどのようなスロープを設置するのか、お客様と念入りに打合せを行います。
今回の工事では、このようなイメージで階段の一部をスロープ化し、手摺も設置することになりました。

まずは、必要な箇所に穴をあけます。
1つ目は、固定用の鉄筋の穴です。
今回の工事では、既存の階段と、スロープ用に新しく打設するコンクリートを固定させるための鉄筋を取り付ける必要があります。そのために、既存の階段に穴をあけます。

2つ目は、手摺用の穴です。
手摺を設置するため、既存の階段の2箇所に穴をあけます。

ここからは、実際のスロープ部分を作り上げていく作業です。
今回は階段の一部をスロープ化するため、まずはスロープ化する範囲を型枠で定めます。
この型枠は、実は木材を使って現地で手作りしています。


さすが熟練の職人さん、慣れた手つきでササっと型枠を作ってしまいました!
型枠で施工範囲を確保できたら、土台となる砕石を敷いていきます。砕石とは、天然の岩石などをクラッシャーで人工的に小さく砕いた砂利のことです。
砕石は極力隙間ができないよう、転圧機を使ってしっかり地面に敷き詰めていきます。


次に手摺を設置していきます。
手摺の根元をセメントで固定し、水平器で確認します。きちんと垂直になっていることが確認できたら、またまた木材を使って、手摺が動かないようにしっかり固定します。



次に、コンクリートを打設する準備を整えます。
(1)であけた固定用の穴に鉄筋を打ち込んだり…

敷いた砕石とコンクリートがしっかりくっつくように、砕石にコンクリート用の接着剤を塗ったり…

ワイヤーメッシュ(※)を設置し、固定用の鉄筋にしっかり結束させたり…
※ワイヤーメッシュとは、コンクリートの内部にある鉄筋のことです。コンクリートを補強するために使用されます。

コンクリートを打設する前の準備にはたくさんの作業があります!
ただコンクリートを流し込むだけじゃないんですね。
いよいよスロープ部分のコンクリートを打設します!
こんな風にコンクリートを流し込んで…

金ゴテと呼ばれるコテで表面を平らに均していきます。


コンクリートの打設が完了し、スロープが出来上がりました!


最後に、打設したコンクリートの表面にモルタルを塗布します。
モルタルにはコンクリートに含まれる粗骨材(粒子の大きな砂利)が含まれておらず、粒子が細かい材料です。そのため、表面に塗ることで見た目がなめらかで綺麗に仕上がります。

こちらで、エントランスの階段のスロープ後付け工事は完了です。


階段の一部に広々としたスロープが後付けされたことで、ベビーカーを使用する居住者様も快適に通行できるエントランスに生まれ変わりました!
階段のスロープ後付け工事にかかる費用と工期は、既存の階段の状態(段数・高さ)やスロープ化する範囲の大きさ、手摺も設置するかどうかなどにより大きく変動します。
参考までに、今回スロープの後付けを行ったマンションの工事費用と工期をご紹介します。

ご自身の建物に工事を行った場合、どれくらいの費用と工期がかかるのか知りたい!という方は、現地を確認した上でお見積しますので、お気軽にお問合せください!
建物の利用者様・居住者様の暮らしの変化や時代の変化に応じて、より便利に建物を進化させることで、建物を管理・所有される方にとっても大きなメリットがあります。
山陽工業では、今回ご紹介した階段へのスロープ後付け工事をはじめとした、外構工事も毎年多数承っています。
まずは一度、お気軽にご相談ください。
年間650件以上の工事を請け負う建物のプロが、お客様の建物をしっかり見極め、最適な工事をご提案します!

なお、対応エリアは以下の通りです。


この記事を書いた人 山陽工業 かおり
・山陽工業で働く1児の母(2015年入社)
・「こんなこともやっているんだ!」と知っていただける、比較的小規模な工事や少し特殊な工事についての記事を主に投稿します。
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