建物を直すための修繕・改修工事の技術は進化し、まだ世にあまり広く知られてはいない、幾つもの新工法が誕生しています。
例えば、建物の長寿命化に繋がる補修方法や、自然環境に配慮した塗装材料の実用化など。
本記事ではそういった、建物を修繕・改修する時に活躍する、少し特殊で珍しい工法をご紹介します。
アパート・マンションのオーナー様や管理組合の皆様の中で、
「建物をより長く保つように修繕して資産価値を高めたい」
「特殊工法に興味がある」
「大規模修繕工事に関して分からないことが多いので相談に乗って欲しい」
このようなお悩みやお困りごとをお抱えの方がいましたら、きっと参考になるかと思います!
Before(左)からAfter(右)に至るまでの、工事の様子をお見せします!
今回、こちらのアパートで大規模修繕工事を実施しました。
落ち着いた色合いのタイルが特徴的な建物です。
劣化箇所を調査して、塗装工事や防水工事を施していく中で、
いくつかある作業工程の一部を下記の特殊な工法で直しました!
IPH工法
シーファイン工法
ピアレックスRC工法(G-PFシステム)
それぞれどういった工法で、どのような効果があるのか、順番にご紹介していきます。
タイルの外壁に、何やら緑色のカプセルが突き刺さっています。
これは「IPH工法」と呼ばれるもので、
劣化してボロボロになってしまったコンクリート構造物に樹脂を注入することで、強度を回復させることができます。
上記の写真はIPH樹脂を注入して、漏れ出てこないよう固定した後、樹脂が固まるのを待っている最中の様子です。
IPH工法の特徴は、通常の注入工法よりも、ひび割れの奥深くまで樹脂が行き渡る点にあります。
これまでの注入工法は、ひび割れ内部に空気が残ってしまい、注入した樹脂が最深部まで行き渡らないことがありました。
一方で、IPH工法はそのカプセルの仕様から、ひび割れ内部に残った空気を一度抜くことができるので、注入した樹脂が隅々まで届くのです!
これによってコンクリートの耐久性が向上し、建物の長寿命化にも繋がります。
このアパートの場合、タイルの外壁、ベランダ、玄関周辺の部分に、樹脂を注入しました。
樹脂がコンクリート内部にきちんと充填されているかどうかは、構造物の表面を叩いたときの音で判断します。
注入を終えた後は、漏れ出てしまった樹脂をしっかり削り落として見た目を整えます。
ひび割れたタイルは通常、張り替え交換で直すことが多いのですが、シーファイン工法は「シールを貼る」ことでタイルを補修できます!
動画で作業の工程を分かりやすく解説しています↓
剥落や欠損といった重度の劣化には、対応できないデメリットもありますが、軽微なひび割れであればシーファイン工法がおすすめです。
タイルを削り落とす必要がないので、周囲のタイルに影響を及ぼさないで作業ができます。
加えてタイル自体を貼り替えるよりも、周りの色に溶け込んで見えます。
色だけでなく質感もしっかり表現されているので、補修後の美観を重視したい!という方にオススメです。
「ピアレックスRC工法(G-PFシステム)」
こちらは、打ちっぱなしコンクリートにコーティング塗料を塗ることで「汚れが付着しにくい」=「美観を長く保つ」ことができる工法です。
というのも塗装の手法の中には、古びて汚れてしまった打ちっぱなしコンクリートを、新築時と変わらない美しさに復元させる工法があります。
ピアレックスRC工法は、一般的な打ちっぱなしコンクリートの仕上げ工法がさらに進化したもので、塗装の最後にフッ素と光触媒でコンクリートにコーティングを施します。
そのため、壁に汚れが付着しても、紫外線で有機物が分解され、それらは雨によって洗い流されるのです!
また、内装等で使用すると殺菌効果も発揮してくれます。
ご紹介した特殊な工法以外にも、通常の防水工事や塗装工事を施して建物の外観や機能性を修復していきます。
主に玄関周りの外観が綺麗になった他、ご紹介した特殊な工法が施されたことで、建物の性能がかなりパワーアップしました!
こちらのアパートでは、修繕・改修工事だけでなく、大規模修繕会の説明会を開催しました。
目的は、大規模修繕工事に関する皆様の不安や疑問をこの機会に解消してもらうためです。
多くの方がご参加してくださり、工事の流れや内容、見積書の見方等に関するご説明をさせていただきました。
山陽工業は10年先を見据えて、お客様がお住まい・お持ちである建物に、最も必要なご提案をさせていただきます。
大規模修繕工事に関する不安を解消したいとのことであれば、山陽工業までお気軽にお問い合わせください!
なお、対応エリアは以下の通りです。
この記事を書いた人 山陽工業 よーこちゃん
・山陽工業に入社して3年目の広報社員。
・たくさんの現場を巡って、日々様々な知識と写真を集めています。
・施工管理に長けた工事監督さん、この道何十年の熟練職人さんの方々に取材を行い、建物の修繕・改修に関する情報を発信していきます。